エコ活動紹介(一般向け)

「バイオマス産業都市さが」を目指して / 佐賀市バイオマス産業推進課

バイオマス産業都市さがを目指して
~廃棄物がエネルギーや資源になって価値を生み出しながら循環するまち、さが~

日常生活で、私たちはバイオマスにどのようにかかわっているのでしょう? 「いやいや関係ないよ」「バイオマスってそもそも何?」様々な声が聞こえてきそうですが、バイオマスと市民との関わりについて考えてみましょう。

■そもそも、バイオマスとは何?

バイオマスという言葉は、BIO(生物資源)+MASS(量)、つまり生物資源の量を表す概念で、太陽エネルギーを使って生物が合成したものであり、生命と太陽がある限り枯渇しない資源(再生可能なもの)のことです。
バイオマスは、排泄物、食品廃棄物などの廃棄物系バイオマス、稲わら・もみ殻などの未利用バイオマス、資源作物に分類されます。

■佐賀市のバイオマス産業都市構想のきっかけは平成の大合併だった!

平成17年、19年に佐賀市の市町村合併が完了しました。平成26年には、平成15年から稼働していた佐賀市清掃工場で市内全域のごみ処理が行われることになり、佐賀市、大和町、富士町、川副・東与賀の4か所にあったごみ処理施設の統廃合を行いました。施設統合の目的は、コスト削減、バイオマス資源の増加、それに伴うエネルギーの増加を周辺地域に還元し、施設を活用した地域産業の創出につなげることでした。
これがバイオマス産業都市構想へとつながっていきます。

■廃棄物がエネルギーや資源に? 佐賀市はスゴイことをやっている!

廃棄物を資源やエネルギーに変える一大装置は、佐賀市清掃工場と佐賀市下水浄化センターにあります。清掃工場では、ごみを焼却する際に排出されるCO2を分離・回収する日本初の施設として、大きな役割を担っているのです。清掃工場で生まれたCO2は、国内トップ企業の協力を受け、食品グレードのCO2を供給することができるようになり、資源循環の道筋をつくりました。
資源循環がもたらす効果は、環境保全だけではありません。資源再生の一大プラントを軸にして、新しい産業が生まれ、未来を担う若者たちが地元で就職を考えることができるようになり、若手の県外流出の低減につながっています。

■資源活用・再生の広がりは?

清掃工場からCO2を分離・回収することは世界で初めての試みでした。そのCO2を排ガスから分離回収し、藻類の培養に利活用することも成功しました。また、余熱と電力を隣接する健康運動センターへ供給し、温水プールなどに活用されています。市立の小中学校、公共施設110か所へは、焼却熱を使用した蒸気発電の電力を供給しています。家庭から出る廃食用油で高品質のバイオマス燃料を生み出し、そのバイオディーゼル燃料は市営バスやゴミ収集車、に使われています。市内の高校生と食品会社がコラボして、新商品の開発も実現しました。清掃工場の取り組みが、美容、健康、食や雇用促進の面で役に立っているのです。
下水浄化センターでは、汚泥から発生するバイオガスからCO2を分離回収し、藻類の培養に利活用しています。川から有明海へ放流する処理水は海苔養殖に好影響を与え、汚泥堆肥化にも成功するなど、漁業や農業の面でも貢献しています。

■産業の広がりはどんなことがカタチになっている??

廃棄物から価値あるものに姿を変えた資源やエネルギーは、行政が仲介役を果たしながら市民・事業者・行政との連携を図り、新たな産業や雇用を生み出しています。
バイオマス産業都市さがを掲げてこれまで、さまざまな企業進出や連携が生まれています。

◎藻類培養施設(㈱アルビータ)
藻類を原料とした製品化
サプリメント、食品、化粧品

◎環境型バジル栽培(グリーンラボ㈱)

◎大規模多収きゅうり栽培(JA全農「ゆめファーム全農SAGA」)

◎佐賀県立佐賀商業高校「さがまなびや」との連携
情報処理科の応用学習として、地域の特産品をインターネットモールで販売したり、商品流通や企画販売を学ぶ「さが学美舎(まなびや)」と連携し、環境制御型バジル栽培を行うグリーンラボ㈱のバジルを使った新商品「ガバッジオ」を開発し商品化。

■藻類に託された可能性は?

藻類を活用した持続性、成長性がある地域産業を造り上げることを目指し、平成29年、さが藻類バイオマス協議会が設立され、令和2年4月には法人化されました。これにより、藻類の有用性などについての情報発信やビジネスマッチング、技術開発支援、事業支援などのサポート体制が充実し、藻類をはじめとしたバイオマスの活用に向けての環境が整いました。
また、平成30年3月には、さが藻類産業研究開発センターが佐賀大学構内に開所し、さがの環境に適した藻類の選別や培養、成分抽出などを実施し、技術面での手厚いサポートが可能になりました。
行政、民間企業、大学、金融が一体となったさが藻類バイオマス協議会と、研究に専念するさが藻類産業研究開発センターが連携することで、藻類産業を集積するための体制が整い、未来への可能性がより広がりました。

■わからないことはいつでもなんでもお問い合わせを!

ごみステーションに収集されたごみが清掃工場へ運ばれ、焼却される毎日は、市民にとっては当たり前の日常なのかもしれません。でも、実はこの仕組みにのっとってごみ出しを実践するだけでも、市民は資源循環に関わっているのです。あまり深刻に考えず、日常生活の中で生ごみの水けをきちんと切ったりするなど、一人一人の意識、心がけが大きな変化につながるのです。
廃棄物が資源化されて産業と結びつく仕組みについて、分からないことは担当課に迷わず問合せしてみよう。佐賀市の明るい未来のために技術と交渉力を駆使して資源再生、環境保全、産業の創出に取り組む熱い職員が答えてくれます。出前講座の受付も実施中!

(私たちが担当しています!)
佐賀市企画調整部 バイオマス産業推進課
課長
環境計量士(濃度関係)江島英文さん
政策推進係 主査
博士(工学)・環境計量士(濃度)前田修二さん
藻類産業推進室 主査 福田 賢之さん
藻類産業推進室 主任 川原田 格さん

 


 

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