エコ活動紹介(一般向け)

環境にやさしく、健康にも良し!自転車の魅力と楽しみ方 / エスカルゴサイクリングクラブ

ルールがないから長―く続くサイクリングクラブ
かたつむりのように ゆっくり のんびり
自転車に乗って環境に優しく、健康にも良し!

1974年に創設されたエスカルゴサイクリングクラブは47年目を迎えた今も、二代目会長 山口さんの元で活動が続く老舗のクラブです。活動の話やサイクリングの魅力について、会長とメンバー2人にお話していただきました。

会長 山口正吾(やまぐちしょうご)さん(中央)
荒槙保博(あらまきやすひろ)さん(右)
古川辰馬(ふるかわたつま)さん(左)

―――クラブの創設は1974年。40年以上も活動が続いているというのはスゴイことですね! 皆さんは昔からクラブに入っているのですか?

山口
最初にクラブを立ち上げたのは西山さんという方です。私は入会して17年くらいになりますが、西山さんが80歳になられた2017年の1月から私が会長に就任しました。西山さんは80歳を超えた今でも自転車に乗っていらっしゃいますよ。私は、元々は一人でサイクリングを楽しむことを趣味としていました。知人から「ランがあっているので一緒に行ってみないか」と誘われて、興味がてら参加してみたら、意外と楽しくて。一人もいいけど、人と一緒に走るのもいいもんだなと思いました。

荒槙
私は、本格的にかかわって2年程度ですが、以前から佐賀県サイクリング協会で月に1回実施している定例サイクリングを担当している関係で深みにはまりました。コースづくりや、フェイスブックでの情報発信で山口会長の補佐をしています。

―――クラブで活動していて、どんなことが楽しいですか?

山口
うちのクラブは、会費なしで縛りがないんです。月1回、第3日曜日にランをやるという計画はありますが、佐賀県庁前9時集合で、2人以上集まったらランが成立するというくらいで、自由参加が基本です。無理をしないということがいいですね。仲間と走ってコミュニケーションをとるうちに、知り合いも増えていきます。仕事の絡みもないから気分的にもすごくラクですよ。気をつかわなくていいのが長続きの秘訣かもしれません。
うちのクラブって自由すぎて、みんなが乗る自転車も自由なんです。だから、ママチャリやらで参加する人もいるんですよ。

荒槙
一般的な定例会は走ることそのものを目的とすることが多いんですが(最初から最後まで走りっぱなし、もちろん速度もそれなり、きつさもそれなり)エスカルゴのクラブランはある程度テーマを決めて、走ることといろんなところに立ち寄ったり、専門家の話を聞いたり、おいしいものを求めたりと、のんびり走って楽しむというところがいいんです

―――会長として企画や統率をしないといけない山口さんは、大変なのでは?

山口
いいえ、そんなことはないですよ。会社勤めをしていた頃はランに参加できないこともありましたけど、定年退職してからはクラブのことにエネルギーを注いでいますよ。特に、会長職を引き継いでからは運営全体のことを考えたりしなければいけないので大変になりましたが、一緒にやってくれる仲間がいるから心強いです。コロナ禍でも、会員の皆さんとのコミュニケーションツールとして、オンラインミーティング開催やエスカルゴccニュースもメンバーからの投稿などを中心に、写真や挿絵入りで毎月発行しています。

エスカルゴccニュースの発行は創設期から西山さんが手書きで始められたもので、現在は、私が引き継いで、メールや郵送(個人負担)でメンバーに届けています。 今では貴重な記録資料で、すべてはそろっていませんが、エスカルゴccの財産になっています。

―――月1回のクラブラン以外にはどんな活動をしているのですか?

山口
月1回のクラブランは、走行距離20~30㎞を目安にコース設定しているので、初心者でも参加できる申し込み不要のランです。この他に、海外のサイクリストとの交流や長距離や坂道などを楽しむ特別企画ランを年に6回くらい行っています。これは走行距離50㎞以上のコースを設定するので、経験者向けになりますね。
クラブミーティングは、現在、コロナ禍で会議形式で行うことを控え、Skypeでオンラインミーティングを実施しています。
また、環境にやさしく、健康にも良い自転車の利活用促進のための取り組みとして、活動に関心があるメンバーで、県サイクリング協会や佐賀市と連携して、さが環境フェスティバルに出展したり、サイクルツーリズム(自転車観光)の推進を行っています。

―――さが環境フェスティバルやサイクルツーリズムの促進を通じて、サイクリングがエコにもつながっていることが分かります。サイクリングの魅力って何ですか?

山口
佐賀は自然が豊かでとても走りやすいんですよ。 走っていると、思いがけない人から「どこから来られました」と声を掛けられることがあり、それをきっかけに新たな出会いと交流が始まったりします。 また、好きな場所で止まって見たいものが見られるのもサイクリングならでは。菜の花や、梅、桜など季節ごとの楽しみもあります。コースの途中で野生のヤマモモを見つけて食べたこともあります。 このようにサイクリング(自転車)は、いろんな出会いや発見をもたらす素晴らしいコミュニケーションツールになっています。
メンバーの中には、体が続く限りは走りたいとおっしゃっている方もいます。自分の体力に合わせて走れるところが魅力の一つかもしれません。

荒槙
自己の体力や、好みに応じた走り方ができるところがサイクリングの魅力だと思います。
私みたいな高齢者や、体力のないものでもそれなりの楽しみ方を見つけられるそれが最大の魅力だと思います。
特に最近の電動アシスト自転車は最大で100キロを超えるアシスト機能を持っているものがどんどん登場しています。アシスト車なら坂道も楽々、100キロ越えのロングライドだってへっちゃらです。自分の好みや体力に合わせて器具選びができるこれも楽しみなんです。

古川
私の叔父は81歳の時に自転車で日本一周に挑戦して、3ヵ月で達成して話題になりました。そんな叔父の影響もあって、退職してからサイクリングを始めました。
私も10年前から広島県(4泊5日)を皮切りに国内を自転車で回る「輪行」をはじめました。
コロナ下で一時自粛していましたが、9月~10月にかけて最後の3県(群馬・新潟・山形)を7泊8日で走り、47都道府県完全制覇を達成することができました。サイクリングは健康のバロメーターだと思います。これからも続けられる限り走り続けます。

※注 輪行とは自転車を分解し、バッグに収納して、列車・飛行機・船で現地に向かいサイクリングを行うことです。

―――体力維持のためにやっていることはありますか?

山口
私は今もソロで走っていますよ。自宅から13㎞離れた東よか干潟のボランティアガイドに行く時や8㎞離れた畑へ行くのも自転車で出かけ、帰りは、出会いや発見を求めて、いろんなコースを探しながらサイクリングを楽しんで帰宅します。月のうちほとんどを自転車に乗って移動していますよ。 体力維持だけでなく、自転車はCO2を排出しない環境にやさしい乗り物なので、少しは地球温暖化防止に貢献できいるんじゃないかと思っています。

―――自転車生活をしていることがエコにもつながっているのですね。

山口
結果的にそうなっていますね…。 東日本大震災をきっかけに、自転車以外でも雨水を貯めて庭や畑の散水に使ったり、移動式の独立系太陽光システムで電気をつくって、非常災害時だけでなく、日ごろからスマホやパソコン等の小電力家電の充電に利用しています。コストはかかりますが、自分がつくった電気で動いていると思ったら、なんだか嬉しくなりますよ。

―――日々の小さなことからコツコツと行うことが大切なんですね。

山口
人々の意識が東日本大震災から少し変わってきたような気がします。私自身、一人でやってもしょうがないという気持ちがあったけど、今は違います。南アメリカの先住民に伝わるクリキンディというハチドリの物語がありますよね。ハチドリが他の動物たちから「そんなことをしていったい何になるんだ」といって笑われながらも、せっせと口ばしで水のしずくを運んで、森の火災を消そうとしたお話です。今自分にできることをを精いっぱいやることで、それが一人、また一人と広がっていく…。まだまだ自分自身にとっても無駄はあるかもしれませんけど、積み重ねですよね。

―――サイクリングとエコ。そして積み重ねていくこと。クラブの活動も積み重ねですね。これからはどんな活動をするのですか?

山口
今年の3~9月、コロナの影響でクラブランを中止していましたが、10月から再開しています。Withコロナでクラブランの在り方を模索しながら、「楽しいクラブラン」を息長く続けていこうと思っています。
また、47年間の貴重な活動記録や写真を整理して、エスカルゴccの記念誌編纂作業をエスカルゴのようにゆっくりした歩みで進めています。

現在、上は82歳、40代の若手メンバーは少数派なため、65歳以上の層が厚いクラブです。新しいメンバーを募集していますので、まずは体験からしてみませんか?
日常生活の中で自転車利用をすると、運動にもなるし、気づきもあっていいことづくしだと思います。通勤にもおすすめしたいです。初心者講習もしますので、安心して参加してほしいです!
余談ですけど、クラブ名のエスカルゴは、「ゆっくり、のんびり」をイメージしていますが、創設当初は、エスカルゴとは無縁の競争タイプのランを好んでやっていたらしいですよ。なんでエスカルゴってつけたんでしょうね(笑)

エスカルゴサイクリングクラブ
1974年6月設立。75年にエスカルゴに改称した。環境に優しく、健康にも良い自転車で「ゆっくり、のんびり、楽しく」をモットーに、年間計画に基づきメンバーとのサイクリングや交流を楽しむ。
問合せ(エスカルゴcc山口):jga4101yama-escargot@yahoo.co.jp


 

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