エコ活動紹介(一般向け)

東よか干潟ビジターセンター「ひがさす」/ 佐賀市環境政策課 自然環境係

東よか干潟ビジターセンター ひがさす

2020年10月20日、佐賀市東与賀町、東よか干潟を一望できる場所に、「東よか干潟ビジターセンター(愛称:ひがさす)」がオープンしました。この施設は、国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録されている東よか干潟の価値や魅力の発信地で、観光や交流、学習などに利用できるような仕掛けが詰まっています。

スタッフの中島妙見さんに、ひがさすについて話をしてもらいました。
「この施設は、ラムサール条約に登録されている東よか干潟の価値や魅力を発信するために佐賀市が整備した施設です。干潟には、野鳥以外にも有明海ならではの生き物も生息しています。有明海の自然と共に生きてきた人々の歴史についても知ることができます」。

では、どんな施設なのか、早速中をのぞいてみましょう!

展示室の前で迎えてくれるシオマネキのオブジェ。記念写真を撮ろう!

 

映像や音で干潟の生物や渡り鳥のことを知ることができる展示室「ひがたの旅」

館内の正面奥にある展示室「ひがたの旅」は、有明海や東よか干潟に関する情報がぎっしり詰まった情報スペースです。渡り鳥や干潟に棲む生き物、干潟で行われている漁などについて、映像や模型などをたくさん使って、より分かりやすく伝わるよう工夫しています。
照明が落とされた展示室に入って、まず目に飛びこんでくるのは、干潟に渡来する渡り鳥をスクリーンと模型で知ることができる「干潟と野鳥ゾーン」。干潟が広がる映像とともにラムサール条約や東よか干潟の解説があり、その隣には干潟に渡来する野鳥の立体模型が眼前に迫るような勢いで展示されています。見学を機に、渡り鳥の名前と姿を覚えて、実際の干潟見学に役立ててみては?

「生きもの」ゾーンに移ると、干潟の生き物が標本で紹介されています。覗き窓から覗いてみると、ムツゴロウとシオマネキの巣穴標本も見ることができます。天井から円筒がぶら下がっているのに気付いた人は、ぜひ、中を覗いてみてください。そこに何がいるかは、見てからのお楽しみに…ということに。珍しい標本も展示されているので、一つひとつ丁寧に見学してみよう。

↑干潟の守り人のみなさんによるメッセージが心にしみる

「干潟と暮らしゾーン」は、人々が干潟とどのように暮らしてきたが分かるコーナーです。伝統漁の道具の展示や、干潟の保全に取り組む多くの“守り人”からのメッセージが動画で紹介されています。

展示室中央には、「HIGATA VISION」と称して、円形のジオラマに映し出された映像で、渡り鳥や東よか干潟のことをプロジェクションマッピングで楽しめます。ジオラマの立体感で、鳥になった気分で干潟周辺を上空から見ることができます。

↑干拓の歴史もプロジェクションマッピングで分かりすい

 

干潟のベストシーン映像を鑑賞できる「ひがたのシアター」は、干潟に広がる数千羽の野鳥の群れやムツゴロウやシオマネキなどの生き物たちが、活き活きとスクリーンに映し出されています。カメラに収めたくてもなかなかタイミングよく撮ることが叶わない野鳥が勢ぞろいしている光景を、このシアターでしっかり目に焼きつけてください。

「ひがたのパノラマ」=360度展望できる展望台

ひがさすの目玉のひとつが、なんといっても背の高い展望棟。
周辺には高い建物がないので、展望ホールからは広大な干潟と佐賀平野の風景を360度のパノラマで楽しめるのが最大の魅力。天候のコンディションがよければ、耳納連山、脊振山系、天山山系から多良岳、雲仙といった福岡・佐賀・長崎の山並みがぐるりと見渡せ、海水が引いた後のキラキラした干潟の景色も見ることができます。こんな場所、なかなかないでしょ? これまでは、干潟とほぼ同じ目線で眺めていた光景も、展望ホールから眺めるとまた違う景色が広がっています。カメラ必携でぜひお気に入りの写真を撮ってみては?

↑コンディションがよければ雲仙普賢岳や多良岳も見渡せる展望ホールからの眺め

展望ホールにはエレベーター、階段、どちらも利用できますが、運動がてら階段を利用すると、面白い発見がありますよ。階段ホールのペイントは、ブルー系を基調に色分けされています。この色分けの意味は?

実は、日本、韓国、アメリカなどの海の干満差を表示しているのです。一段一段上りながら、世界の海の干満差を知ることができる豆知識が隠されているんですね。

展示室やシアター、展望ホール以外にも、研修室やカフェコーナー、物販コーナーもあるのでちょっとしたブレイクタイムもOK。カフェにはその日の潮汐と観察できる野鳥の情報や、干潟のライブ映像を観ることができます。

↑テラス席もある。うららかな日には気持ちよく過ごせそう

 

 

「干潟と暮らしゾーン」に展示されたカラフルの鳥の意味は?

↑干潟に漂着したプラスティックごみからできた鳥のオブジェ。

ひがさすで有明海や干潟について十分知識を得た後は、実際に干潟へ行ってみましょう。
「ぜひ、干潟へ行ってみてください」と案内してくれた中島さん。
知らずに干潟を見学するのと、インプットしてから見学するのとは大違い。「ひがさす」は情報発信基地として大きな役割を担っています。そして、干潟のことでやっぱり忘れてはいけないのは、この自然を守っていくことの大切さ。
中島さんは、「ジオラマで干拓の歴史を見てもらうと、海岸線の変化も分かりますね。有明海には筑後川から土砂が流れ込んできます。九州豪雨の時には、土砂だけではなく大量の流木やごみも漂着しました。
中でも世界的に問題となっている海洋プラスチックごみもたくさん東よか干潟に漂着するんですよ。
展示室には、その流れ着いたプラスチックごみで作った鳥のオブジェを展示しています。見た目は可愛いですが、全部プラスチックのごみなんです。自然豊かな干潟がいつまでも続くためにはどうしたらよいか、ということを一人ひとりに考えてもらい、小さなことでもいいから何かアクションを起こしてもらいたいという思いで展示しています」と話してくれました。

ごみを減らす? ごみを拾う? 私たちを含めた生きものや地球の未来のために、できることをやっていきたいですね。

↑東よか干潟ビジターセンター ひがさす
東よか干潟ワイズユース推進員
中島妙見さん

東よか干潟ビジターセンター ひがさす
佐賀市東与賀町田中2757-4 干潟よか公園西側
電話:0952-37-0515
開館:9:00~17:00
入館料:無料
休館日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
駐車場:あり

 


 

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