エコ商品・技術紹介(一般向け)

~昔に帰る近未来~下水浄化センターの環境に配慮した取組 / 佐賀市上下水道局・(株)S&K佐賀

佐賀市下水浄化センター で は、 24時間下水を処理し きれいな水に変え放流しております 。
私たちは 、「昔に帰る未来型」を合言葉に、様々な取り組みを行っております。
再生可能エネルギーの生産や資源循環といった、環境にやさしい活動を行うことで 、以前は迷惑施設であった下水浄化センターを、宝を生む施設としました 。

1. 栄養塩をたくさん含んだ放流水によりノリ養殖へ寄与しています

下水浄化センターでは、微生物の力を利用して下水を、 きれいな水 に 処理 しています。その水は、本庄江に放流した後、すぐに有明海に注がれます。有明海ではノリ養殖が盛んに行われ、佐賀の大切な産業となっていますので、放流水に含まれる栄養塩を、ノリの養殖時期に増やすことで、ノリの生育に寄与できるように努めています。
この取り組みは、平成19年から実施しており、既に10年以上が経過し、漁業者の方からも評価を頂いています。下水道処理施設からの栄養塩供給は、開始当時は珍しい取り組みでしたが、今では環境の保全と同時に、海産資源が豊かな海を求める声が増えたことで、全国的に取り組みが広がっています。

2. 下水汚泥処理で発生するガスを利用し電気と熱を作り出すコージェネレーションを導入

下水の処理過程で発生する汚泥は、消化槽というタンクで嫌気的に分解させることで、メタンガスを発生します。このガスを、下水浄化センターに設置した発電機の燃料に利用することで、この発電機から電気と熱エネルギーを取り出し活用しています。
発電した電気は、下水浄化センター内 で使用しており、電力の自給率は施設全体の約40%となっております。熱エネルギーは消化槽を加温し、汚泥の分解を促進するために利用しています。

3. 下水汚泥から㈱S&K佐賀が肥料を製造し資源を循環しています

㈱S&K佐賀は、佐賀市からの委託を受け、下水汚泥からYM菌という微生物を利用することによる超高温発酵を行い、約45日間という短期間で完熟した肥料を製造しています。

この肥料は、 製造時に100度近い高温で発酵することで 、 原料に含まれる雑草の種子や大腸菌等が死滅し、嫌な臭いがしないことが特徴です。年間の製造量が千トンを超える肥料は、下水浄化センターにおいて、10 kg あたり20円で販売しており、毎年好評で完売しています 。
肥料の使用におけるアドバイスとして 、多く与えすぎない事や、もみ殻や竹チップなどの炭素源を混ぜて使用することにより、微生物がよく働き、地力が上がることをお伝えしています。
利用された方からは、「土がふっくらとなった」、「経費が安くなったうえに病気になりにくくなった 」、「 作物のえぐみがとれて、うまみが増した」などと喜びの声が寄せられています。
佐賀市が製造している肥料は、農林水産大臣の登録を受けたものであり、下水由来の肥料ということで心配される重金属も、 年4回の分析を行うことで、安全性や品質を確認しています。
また、この取り組みは、 肥料の原料を輸入に依存している日本にとって 、生活廃水処理により必ず発生する下水汚泥から肥料を製造することは 、資源循環の面でも大切なことだと考えています。

佐賀市上下水道局のホームページでも詳しくご覧いただけます。
URL http://www.water.saga.saga.jp/main/5806.html

また、下水浄化センターにおける環境に配慮した取り組みを、皆様へより分かりやすくお伝えするために、下水浄化センターの 1 階ホールの展示をリニューアルしました 。

佐賀市下水浄化センター
住所:佐賀市西与賀町大字高太郎2667番地
Googleマップ

お問合せ
佐賀市 上下水道局 下水プロジェクト 推進部 下水道施設課
電話 0952-22-0181
㈱ S&K佐賀(肥料のお問合せ)
電話 0952-27-3510


 

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